にわかによる新日本プロレス日記

プロレス歴史も知らない、技名もそんな把握してない、それでもプロレスは面白いと思った男のブログ

オスプレイが棚橋から受け取ったもの【G1 CLIMAX 29 2019/8/10 第8試合 感想】

新日本プロレスにおいて棚橋の存在は絶大だ。

かつては力道山アントニオ猪木といった先人のイメージが強かったが、現在の新日本はその頃のエッセンスが多少残ってるくらいでほぼ別物だ。

その改革を行った中心人物が棚橋だ。オカダやジェイといった生え抜きのスターが登場しても新日本=棚橋という図式はなかなか揺るがなかった。

デビューして20年、結構な問題もあったがプロレスに文筆、バラエティ進出や映画出演など、1%でもプロレス業界のためになるのなら何でも貪欲にやってきた。その積み重ねが現在の棚橋の立ち位置を確固たるものにしている。

そんな棚橋を越えて新日本のトップ戦線へ駆け上がるため、あらゆる選手がその胸を借りてきた。だが次世代のスター候補たるオスプレイが棚橋に突きつけた言葉は、これまでの血気盛んなレスラー達のそれと大きく異なっていた。

棚橋にトップ戦線から降りろというレスラーは多いし、新日本は俺に任せてもう休んでくれと強気なレスラーもいる。

だが棚橋と新日本に対する多大なリスペクトでその2つの要素を包み込み、シングル戦で勝利したレスラーはどれだけいるだろうか?

ハイフライ

棚橋とオスプレイの闘いは繰り出す技の一つ一つが墨絵のように網膜に激しく焼け付いた。

プロレスはその性質から伝統芸能的な側面があると言われているが、この日の2人は全身を使って証明している。

それはいにしえの巨人に挑む艶やかな鳥が、やがて龍となって天を昇る神話世界を表現しているかのように雄大で美しい。

やがて勝負を決めにかかった巨人棚橋のハイフライフローを、空王であるオスプレイはしっかりと受け止めた。その瞬間力の全てがオスプレイに流れ込む。

オスプレイが棚橋を乗り越えた瞬間だった。


棚橋の後を継ぐということ

棚橋を越えるにはただプロレスが上手いだけではダメで、プロレス業界そのものを盛り上げる必要が出てくる。

今のオスプレイは満場一致で新しいベストバウトマシーンだろう。しかしそれは新日本内での括りであり、どうしてオスプレイの試合が凄いかをプロレス外の人達に伝える必要がある。

その全てをオスプレイが担えるかと言えば、それは無理だろう。オスプレイは日本に注力しているが、恐らく新日本としては海外展開の切り札として扱いたいはずだ。

ならばどうするか?

オスプレイを支えればいいだけだ。

それはオスプレイを応援することに限らず、新しく生まれた才能に惜しみない愛と喜びを送れば、それは業界の底上げに繋がり自然とトップも押し上げられていく。

棚橋だって1人で全てを成し遂げた訳じゃない。プロレスが楽しいものだからこそ改革ができたんだ。

例え一雫の水でも自分の感情が反映される、なんてプロレスは素晴らしい大河なんだろう。

引用元
HEIWA Presents G1 CLIMAX 29 – 神奈川・横浜文化体育館 2019/8/8 – 第4試合 20分1本勝負 | 新日本プロレスリング