にわかによる新日本プロレス日記

プロレス歴史も知らない、技名もそんな把握してない、それでもプロレスは面白いと思った男のブログ

BUSHIは漆黒のチューリップ【POWER STRUGGLE ~SUPER Jr. TAG LEAGUE 2019 2019/11/03 第8試合感想】

ヒロム復活!大阪の地でついに時限爆弾炸裂!

もちろん感動したよ、それに怪我を忘れさせるような動きは昔とちっとも変わらずヒロムの魅力が凝縮されていた。

その影で静かに場を離れる男が1人、今回の復活劇の伏線を張り、大多数がその敗北を予感していた。

BUSHI。ヒロムの熱が会場を虜にしてしまったが、この日のBUSHIの試合は間違いなくベストバウトと言い切れる。

オスプレイという壁

「今新日本のジュニアで最強と言えば?」と質問すれば、殆どのファンがオスプレイと答えるだろう。

骨を改造したのかと疑う浮遊力。多彩かつ華麗な空中技。成長著しい受けの技術。物騒な二つ名に反してユーモアもいける柔軟さ。

どこぞの主人公のように闘いの中で成長を続ける男に対し、最近のBUSHIは悪い言い方をすればロスインゴのバランサーとして立ち回ることが多く、ベルトからは距離を置いているように見えた。

果たして今のBUSHIはどこまでオスプレイに喰らい付けるのだろうかと考えながら試合を見ていた。

毒も食らわばBUSHIまで

試合の中盤、いつものように海野レフェリーが巻き込まれ、誰が見ても最高の毒霧チャンスが来た。そう、BUSHIには毒霧がある。当たれば高確率で相手を倒せる使用禁止級の技だ。

だがオスプレイは事前に身を持ってそのヤバさを理解していた。咄嗟にBUSHIの口を塞いでシャットアウト、そのままムーンサルトで暴発させるかと思いきや、並のBL作品を蹴散らす唐突なディープキス!

お、俺は何を見ているんだ?頭がフットーしかねない展開にもはや勝敗どころではなく試合はちゃんと終わるのかという心配が目と脳を行ったり来たりする。

当然それは大胆な告白じゃなく、毒霧を吸い出し吐き返すというある意味理にかなった戦法だった。羊たちの沈黙にこんなシーンなかったっけ。

これは一見オスプレイがどうかしちゃったように見えるが、BUSHIにとって二重三重にも屈辱を与える効果的な戦略だ。

・毒霧を防ぐことで勝ち筋を握り潰す
・男キスで純潔を奪い精神的揺さぶりをかける
・逆に毒霧を浴びせ「俺にも出来るんだぞ」と優位に立つ

ま、負け確だぁ……

BUSHIのプロレス

試合全体を見ていると、BUSHIは制御不能ユニットの一員ではあるが、そこまで積極的に反則を行うレスラーではないことがわかる。

今回の試合も明確に反則と言えるのは毒霧とTシャツ首絞めくらいだ。これはBUSHIの美学なのだろう。

制御不能は暴力とイコールとは限らない。やりたいことや表現したいことを、相手の都合を無視して披露する。これはナルシスト的であり強烈な発信力も備える。

例え相手が化け物だろうが反則は添え物、あくまで自らのプロレスセンスで叩き潰すという意志が、今日の試合は特に感じられた。

MX敗れたり

二度目の毒霧で5分5分に戻し、必殺のMXを放つBUSHI。これさえ決まれば…!しかしオスプレイはギリギリのところでキックアウト。

あれが返されるなんて!拳が震える。もう一回、追いMXが決まれば…そんな期待を切り裂くヒドゥンブレイド。何度見てもヒヤヒヤする技だ。

もうBUSHIに反撃する余力がないのは明らかだった。オスカッターからのストームブレイカーで念入りに息の根を止められ、BUSHIのベルト奪取はまた夢となった。

花を添える

この試合はBUSHIがオスプレイにちょっかいをかけた辺りで「ヒロムの復帰が近いのでは?」と予想されていた。

実際その通りだったしバトンパスも上手くいったと思う。

考えたら嫌な役回りだ。誰もが期待したカードの生贄になってくれ。でも盛り上げてね。わがまますぎる。

それでもBUSHIはやり遂げた。何なら勝ってヒロムと同門対決でもよかったと思う。

終わってみれば、勝ち負けやベルトの移動云々ではなく、BUSHIにとってのロスインゴとは何かが見えてくる試合だった。