にわかによる新日本プロレス日記

プロレス歴史も知らない、技名もそんな把握してない、それでもプロレスは面白いと思った男のブログ

石井の背中を越えてゆけ【NEW JAPAN ROAD 2020/09/11 第4試合後感想】

NEW JAPAN ROAD 2020年9月11日 東京・後楽園ホール 全試合

前回は同チーム対決、特にギスギスするようなストーリーはなかったしYOSHI-HASHIベルト初戴冠という感動的なイベントもあったためかとても和やかなムードで終了した。

だがそんな状況に納得していない男が一人いた。SHOである。

前回の試合はSHOが3カウントを取られたことで決着しており、そりゃあSHOからすれば面白くないであろう。

そんなやり場のない感情をぶつける先として選んだのが、その試合の決め手となった石井である。

感情爆発

3Kの頃はYOHを推すためか一歩引いた視点でプロレスをすることの多かったSHOだが、鷹木先生によるスパルタ教室とSANADA戦を経て奥底に眠っていた野心が表に出る機会が増えてきた。

野心と共に蓄積されていた悔しさは着火される時を今か今かと待っていたんだろうが、まさか石井で大爆発するとは……これもベストバウトマシーンの宿命か。

火がついたSHOはピュアで歪だ。まるで末っ子の遅れてきた反抗期のような微笑ましさと、タガが外れた男の狂気が入り混じった不気味な色をしている。

もしかしてCHAOS抜けちゃうんじゃないの?と思いかねないSHOの暴走を石井はどう受け止めるのか。仮にも6人タッグマッチなのに目線がそこに集中してしまう時点でSHOの作戦は成功しているんだろう。

実質シングルマッチ……の罠

試合を観ててもやはり2人に集中力が持っていかれてしまう。いつもならタグチジャパン辺りが挑戦してくるところだがあちらはジュニアタッグで大忙し、他のユニットもそこまで人を裂けずにリマッチになってしまい新鮮味が薄れたことも原因だろう。

CHAOSの面々もそれを理解しているのか、石井とSHOの闘いをサポートするような立ち回りになっている。まるで石井派とSHO派の代理戦争と言わんばかりの状況だ。


そんなバックアップもあってかこれまでにない鬼気迫る表情で石井を追い詰めるSHO。

考えてみればヒロムは石井というヘビーの壁を乗り越えて自身をより高いステージに運び、ジュニアにおけるオカダのような絶対性を獲得している。

本当に思ってるかどうかはともかく望まぬ形でシングル戦線へ放り出されたSHOだがやるとなれば一番を目指さぬ理由はない。

そうなると石井を超えるというのはヒロムに追いつくという意味では最短距離でもあり、好き放題やれるこの状況は願ってもない状況はSHOにとって最大の追い風……になるはずだった。

回り道でもいいじゃないか

だがこれまでにSHOが受けていたダメージは石井を超える力を奪っており、惜しくも前回同様石井の手で敗北するという熱を一気に冷ましかねない辛い敗北を迎えてしまった。

あれだけやってこの結果とは……という感じで気を落とすSHOに石井は武骨だが温かみのある手を伸ばした。そして抱擁。あれだけ狼藉を働いたSHOの根底にある覚悟を察した親心にSHOも思わず座礼。

あれだけやって勝てなかったを恥に思うなというのは無理かもしれない。だが間違いなくSHOの糧として、彼のステージを一段上げることはできただろう。

バクステで石井もこう語っている。

あいつの悔しい気持ちがどれだけ大きいか知んねぇけど、その悔しさが大きけりゃ大きいほど、それを乗り越えたとき、そのぶん強くなるよ。
(中略)
それを乗り越えたとき、必ずそれ以前よりも大きい力を発揮すんだ。田中、お前なら大丈夫だ。

納得のいく試合じゃないとコメントを残さない石井が喋ったというだけでも貴重なのに、ものすんごく甘くデレデレした内容だ。それだけSHOに期待しているということなのだろう。

全力を出せた。労いの言葉をもらえるような試合ができた。今はヒロムや石森の領域に届かなかったとしても、壁を乗り越えようとすることを諦めなければいつか届く。

ベタといえばベタな展開なんだけど、やっぱり観てるこっちまで熱いものがこみ上げてくるね……!同門対決で一皮むけたSHOが次に何を目指すのかとても楽しみだ。

こういうゆっくり熟成されていく様を見るのもプロレスの楽しみの一つ。遠回りでもいいんだよ。


父親度:★★★★★
YOHの復活ハードル上がりそう度:★★★
YOSHI-HASHIも負けてらんねえ度:★★★★★



引用元
NEW JAPAN ROAD – 東京・後楽園ホール 2020/9/11 – 第4試合 60分1本勝負 – NEVER無差別級6人タッグ選手権試合 | 新日本プロレスリング