G1 CLIMAX 30 2020年9月24日 北海道・北海道立総合体育センター 北海きたえーる 全試合
北海道といえばタイチだが、同時に内藤受難の土地というイメージも個人的には強く刻まれている。
しかも相手は本人が苦手だと認めているザック。見ているだけでも「ザックって負けたことあったっけ?どうやって負けてたっけ?」と思ってしまうくらい天敵のいない全属性有利の強敵だ。
苦手を克服し北の大地にデハポンコールを響かせることはできるのか!?
第1試合 迫力勝ち
まだまだ疲労の色は見えない元気なヤングライオン!今日は重いスピアーやエビ固めで魅せた辻の勝利だ。
バクステで今は地元(だよね?)で日々トレーニングに勤しんでいるヘナーレに声をかけてくれたのも嬉しい。
そうなんだよ……ヘナーレもコロナ前は準ヤングライオンみたいな扱いで、石井とのシングルから跳ねる!……と自分は思ってたよ。
ヤングライオンのコメント力は前から定評あったが、ゲイブが参戦してからより研ぎ澄まされてる感じがするな。
第2試合 奇跡
後藤とSANADA。どちらもIWGPを巻くことをファンに熱望されながら、なかなかその位置までいけずもどかしい感じの2人だ。
前回はマジで体調が悪かっただけなのか、この日の後藤はかなり元気だったぞ!めっちゃ分厚い肩テープは不安だが。
SANADAに牛殺しを掟破りされたり、逆に鷹木式GTRを後藤が使ってみたりとロスインゴのフリー素材と化してる感があったが、もしかしてこれは何かのフラグだったりするのかな。
しかも後藤が勝っちゃったよ!ようやくG1モードに入った後藤の快進撃がここから始まる……のか?
第3試合 ドラゴンスクリューよりひでえ
.@YTR_CHAOS vs @tanahashi1_100
— njpwworld (@njpwworld) 2020年9月24日
Back to the Ring!!
Count 15...16...17...18...19...
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お分かりいただけただろうか……平常時は犬の散歩も辛いはずの棚橋を走らせるという鬼畜行為……。
念のために言っておくがこれはれっきとしたG1 CLIMAXという新日本最強の男を決めるための総当たり戦である。
膝を酷使された怒りからか、矢野が持ち出してきたテーピングテープを奪い逆に目をぐるぐる巻きにし動きを封じる棚橋。
いつぞやのヒロム戦のように棚橋勝ち確かと思いきや、なんと目隠し状態で放ったキックが棚橋の股間を直撃!そのまま矢野に丸め込まれてまさかの棚橋2連敗という悪夢!
相手をテーピングで拘束する際は手足の自由を奪いましょうという教訓である。
第4試合 バックボーン
ジュースとKENTA、この2人のシングルは彼らのバックボーンを知っているか否かで評価が大きく変わりそうだ。
何せ2人は元々間の取り方が独特な上、直接的な関わりはないものの同じ団体で過ごした思い入れからかヒジョーにじっくりじっくり楽しんでいらっしゃる。どちらもUSヘビーの関係者でもあるしね。
だがどうにも会場がそこについていけてない感じが出てるのがちょっとなぁ……会場も広いし、今だ畳みかけろ!というポイントがわかりにくいのもあるかもしれない。
後半はもうただの殴り合いじゃねえかという状態だったがなんとかジュースが勝利。特に明言されなかったが、これでUSヘビーの権利書にジュースが関わってくるのはほぼ確定といえるだろう。
第5試合 大覚醒
YOSHI-HASHIとEVILといえば、YOSHI-HASHIがNJCで目を覆いたくなるほどボコボコにされたのが記憶に新しい。
あれから足も完治し、新たに手に入れたベルトを巻いてのリベンジ戦は……最高だった!
これまでは「敵に利用されて痛かったから」みたいな理由で封印していたはずの自作如意棒による攻撃を解禁!椅子vs棒は令和プロレスにおけるゴジラvsメカゴジラと言って過言ではない。
顔・心・技の全てにEVILを倒してやろうという気迫が満ち溢れ、会場内は完全にYOSHI-HASHI応援ムード。その期待に応え続けるYOSHI-HASHIはまさしくスーパーヒーローだ。
残念ながら介入もあって必殺のカルマを決める前にやられてしまったが、ベルトとシチュエーションの組み合わせというのはここまで人を変えてしまうものか。
今までは『応援されていた』YOSHI-HASHIが『観客に求められる』YOSHI-HASHIにランクアップ。負けたのは残念だったが、物事が変わる一瞬というものを直接目撃できて感動した。
第6試合 負けても輝く男
メインは内藤とザック。内藤はザックの関節地獄をどう潜り抜けるのかなと思ってたら、なんとジャベでザックに付き合うという無謀な賭けに出た!
だがさすがメキシコに救われた男内藤。さすがにザックみたいな変幻自在とまではいかないが、あのザックが顔を歪めるほどのジャベを披露。
28分も続いた息が詰まりっぱなしの攻防は内藤のスタミナ勝ち。体重差でひっくり返すのではなく相手のフィールドに敢えて乗っかり客をひやひやさせ続け、最終的に勝利するというエンターテイナーの鑑。
長時間関節を中心とした試合構成で飽きさせないザックのスタイルもさすがだ。新日はフィニッシュムーブが固定化されているレスラーが多い分、いつどこでギブアップを奪ってくるか分からない不気味さがあるザックが輝くシーンが多い。
誰に敗北しても格落ちした感じがしないのはそういう部分が大きいだろう。たまたま関節地獄を逃れたから勝てたんであって、次やっても勝てる保証がどこにもないと思わせる説得力が尋常じゃない。
技の固定化や基本の流れというのはそのレスラーの個性であり名刺でもあるのでそれ自体は特に問題ないと思っているが、ザックみたいなのを見ちゃうともっとみんなハチャメチャにやって鮮度を保ってもらいたいと思うのは贅沢だろうか。
KENTA特有のリズム度:★★★★★
YOSHI-HASHI度:★★★★★
バクステあっさり度:★★★★