G1 CLIMAX 30 2020年9月29日 東京・後楽園ホール 全試合
やたら後藤がボロクソ言われている。ライガーには「G1だって分かっているのか」とか内藤には「滝修行でもなんでもしてこい」とか……なんか恨みあるんか!?
恐らく期待の裏返しだと思うんだが、そこまで言われるほどダメって訳ではないと思うのだが、同じレスラー目線で見ると何か感じるものがあるんだろうか。
そんな周りの声を吹き飛ばす活躍ができるのか!?後藤!
第1試合 若さゆえの
ヤングライオン戦はいつもと違うカラーの試合だ。ゲイブに負けたことで新たな戦術を求められた上村は、ヘッドロックを中心に試合を組み立てる。
冷静にゲイブの機動力を削いでるようで、グラウンドで潰してやりてぇという感情がにじみ出てていいぞ。
これは同じヤングライオン同士だからではなく、一レスラーとしてゲイブの経歴と経験値に嫉妬しているように見えるのは自分だけだろうか。
第2試合 新技フラグ?
YOSHI-HASHIとSANADAのアルファベットまみれな対決だ。ちょっと前ならオカダのライバルなSANADAにYOSHI-HASHI勝てんのか?という感じだったが今のYOSHI-HASHIならイケそう……いやイケる!
クールに攻めるSANADAとYOSHI-HASHIの咆哮がいいコントラストだ。イニシアチブを握らせない一進一退の攻防が続く。
試合が大きく動いたのは終盤のスカルエンド。早く試合を決めたいSANADAの焦りが形になったか腕の締めが甘いスカルエンドになってしまった。割とよくある。
こういう時は再度のスカルエンドで綺麗に〆ってパターンになりそうなところ、なんとYOSHI-HASHIがカルマで勝利!
なんかスカルエンドを繰り出すタイミングが普段よりも早かった気がするが、もしかしてこの連敗とこれからの連勝フラグに関係があるんだろうか。もしかして新フィニッシャーが控えている……?
第3試合 信頼
かつてノアにいた2人が色々あって新日でめっちゃ悪い奴になっているとは不思議なものだ。
ザックにしては珍しく序盤から打撃をもらいに行ってるのが印象的だ。関節を取るためとはいえ、遠慮なしに振り抜かれるKENTAの蹴りの威力を知っているはずなのに。
今はユニットこそ違えど奥底には信頼があるのだろうと感じさせられ、ますますザックの光堕ち感が出てきたな!
試合自体はKENTAの遠慮なさが今の新日らしからぬひりつきに繋がりなかなか面白かった。試合は負けたが最後までKENTAに真っ向から挑んだザックが光り輝いていたな。
第4試合 ネアカバトル
盛り上げ上手な棚橋とジュース。入場だけでも会場のボルテージがぐんぐん上がっているぞ。
しかしジュースのコスチューム、タンクトップの大男というのはジュースのファイトスタイルと合致してていいよね。
これまではファンシーな要素があったからナックルみたいな反則要素と剥離してたが、この見た目なら特に違和感はない。
そんなジュース相手にじっくりした力比べを挑み、ジュースの大型外国人感を観客に伝えたところで不意を突いた丸め込み勝利に説得力を持たせた棚橋もさすがだ。
第5試合 反則には反則をぶつけんだよ
矢野とEVIL……金的でしょう。そんな期待が高まる試合はコーナーマット大喜利から始まりだ。
そういえばEVILも普段からコーナーマットを外しているが、もしかしてEVILの最終着地点って矢野なの……?体形も似てるし。
そのせいかEVILが矢野の空気に飲まれて完全にペースを握られている。しっかりプロレスしようとしてるのがセコンドのディック東郷だけという異常事態。
合計金的:5回という熾烈な金的バトルを制したのは矢野。最近金的を使い始めた若造には負けんぞという職人魂が垣間見えた。
あとヤングライオンに腰トントンされるのはイメージとか立場とかいろいろ崩れそうなんだがそれでいいのかEVILよ。
第6試合 奇跡とは己で掴むものである
後藤は強くてかっこいい。必殺技もいっぱいあって和風ヒーロー感満載だ。
で、対する内藤は受けの名手でどんな技でも受けきって立ち上がる。そんな2人の対決はいつも面白い。
しかしなかなか後藤が勝てない。この試合も先に言っちゃうと後藤の敗北だ。もちろん試合自体はクオリティが高く面白いのだが。
2人の差を例えるなら宝くじを当てる時、後藤は何枚か買って風水や願掛けを行う。内藤は様々な店舗を巡って何枚何十枚も買う。明らかに内藤の方がリスクが大きい、しかし内藤はそれを繰り返し一等を勝ち取った……的な。
そういう異なるリスクに手を出す勇気、これが後藤にあれば何か大きなものが変わりそうな気がする。
そもそも内藤が言い始めた『奇跡』に乗っかった時点で、くじも運気も全部持っていかれてたのかもね……。
時事ネタにも強いKENTA度:★★★★
EVIL素で笑ってたよね度:★★★★★
奇跡はたまにだから奇跡度:★★★★