にわかによる新日本プロレス日記

プロレス歴史も知らない、技名もそんな把握してない、それでもプロレスは面白いと思った男のブログ

ハウス・オブ・トーチャーが目指すのは古き良きヒールの姿か

突如バレクラ内に発生したハウス・オブ・トーチャーなる新ユニット。バレクラでありながらジェイもタマちゃんも外道邪道もその発足に関わっていない、かなり不自然なユニットだ。

先にそのメンバーを改めて紹介しよう。


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何気にバランスがいい。

ディック東郷
このユニットの発案者と思われる超ベテランヒール。めっちゃ筋肉質な身体なのにメインウエポンは首絞め用の鉄紐。Twitterでは至って普通の日常を呟いており、そのギャップがおじ様好きのファンに刺さってるとかいないとか。

・EVIL
実質ハウス・オブ・トーチャーこと拷問一家のリーダー。ロスインゴで燻っていた自分を変えるために愛されヒールからガチヒールに転向。素のプロレススキルは高いのにやたら金的ばっかりやるようになった。

・SHO
つい最近CHAOSを抜け出した新人。敬語交じりで悪逆非道を働く、いそうでいなかったサイコ系ヒールとして新生。かなりがっつりキャラ変したのにTwitterのプロフ文はそのままという抜けてるのかやっぱサイコなのか判断に迷う。

高橋裕二郎
かつてバレクラがまだ外国人しかいなかった頃からバレクラに所属している苦労人。棚橋にしれっとデカい怪我を暴露されたり、解説でも自嘲するかのように語るので非常に心配する声が多い。介入時は杖を武器とする。


このユニットの特徴は、とにかくひたすら空気を壊し相手とファンに嫌な思いをさせるという可愛げのないばいきんまんみたいなことに命を賭けてることだ。

……控えめに言ってクソじゃね?と思うかもしれない。自分もまあそう思わなくもないが、この拷問一家が新日にいることの意味は必ずあるはず。

リスペクトを感じられないベルト持ちへの執拗な暴虐は単なるヘイト役ではなく、SNSのファン心理の誘導、そして過度な馴れ合いの抑止力を期待されているのではないか……と自分は考えてる。

最近はヒール同士でも腐れ縁に近いものがあれば憎み合いというよりライバル同士の爽やかな闘いになることも少なくない。そうなると例え反則を使おうが嫌らしいことをしようがそれはそのレスラーにとっての宿命なのでむしろ暖かいものと受け取られてしまう。

ファン目線では「実は仲がいい」とか「ああ見えて息が合ってる」というのは何故だか嬉しいものだが、あまりやりすぎるとなあなあのプロレスになってしまう危険性も孕んでいる。

人によって解釈は違うだろうけどプロレスの本質は闘争。競争ではなく闘争。ただ高め合うだけじゃ見ることができない魔法めいた感情の発露こそがこれまでストロングスタイルを土台に築かれてきた新日の本質だと思う。

媚びもせず観客の期待を裏切り続ける拷問一家はその闘争に欠かせない大きなピースだ。訳知り顔で試合の批評や裏事情を共有する一部のファンに対する牽制の意味もあるかもしれない。

ある意味では非常に純度の高いベルトへの渇望は競争では得られぬ感情を自分達に与えてくれる。プロレスを人生とするならば、拷問一家はムカつく上司や役所で喚き散らすアレな人達だ。避けては通れない、いつかは直面する人間の暗黒面。そして生まれる「あいつぶっ飛ばしてえ」の感情。

何かアクションを起こす度嫌でも見てしまうそのヒールっぷりはさすが超がつくヒールである東郷が生み出したユニットであり、今の新日に足りないものを補っているのは間違いない。


……まぁ、その、反則のバリエーションは増やせよとは思ってます。客数が多かったらまた違うのかな。



引用元
WRESTLE GRAND SLAM in MetLife Dome – 埼玉・メットライフドーム 2021/9/4 – 第2試合後 | 新日本プロレスリング